2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

マイレージ・マイライフ

せつなくてさわやか!私は切ない映画が好きです。笑ってすかっとする映画も好きですが、余韻がのこる切ない映画をみたあとは、映画を見たときにしか味わえない感覚を覚えるからです。 そして切ないだけでなく、前向きになるようなさわやかさがあるとなおよい…

絡新婦の理

衒学的冒険推理小説京極夏彦はうまい作家だと思います。 非常に長くて内容的にも濃密な小説にも関わらず、飽きさせることなく一気に読ませる本を、一冊や2冊ではなくずっと書き続けているからです。多くの登場人物の視点を織り交ぜながら、混乱をまねくこと…

今はもうない(若干ネタばれあり)

S&Mシリーズの異色作森博嗣の人気シリーズS&M(犀川&萌絵)シリーズの中で一番好きな話です。 読んだ方はわかると思いますが、この作品はシリーズの中でも異色作です。 私は、S&Mシリーズの中でこの作品を初めて読みましたので、シリーズを通じての読者…

霧越邸殺人事件(若干ネタばれあり)

幻想的本格推理館モノこの作品を最初に読んだのは小学生のときでした。 そのころ、私は「かまいたちの夜」をきっかけに、推理小説にはまり、とくに「新本格」と呼ばれた一連の作家の小説はむさぼるように読みました。その中でも、綾辻行人は印象的でした。「…

キャッチャー・イン・ザ・ライ

ニューヨークに行くときのポケットに私は、数あるニューヨークの観光スポットの中で一番セントラルパークが好きです。 といっても、実際にニューヨークに行ったことは一度しかなく、まわった観光名所も限られるのですが。 それでも、数々の映画や小説の舞台…

ぼくのエリ 200歳の少女

美しくて切ない吸血鬼映画(若干のネタばれあり)印象的なシーンが多い映画でした。 残酷なシーンから美しい風景、もしくは生々しい会話のシーンから美しい風景もしくはその逆、という風に場面の切り替えが見事でした。 主人公の金髪や華奢な体のライン、エ…

ココ・シャネル

男の嫉妬私は嫉妬という感情にとても興味があります。 興味がある、と客観的に言えるほど、嫉妬は自分から切り離された感情ではありませんが。 古くから嫉妬が原因で大小様々な事件が起きていることからもわかるように、歴史上の偉人といえども簡単には飼い…

ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)

チャンドラーの最高傑作こちらも、村上春樹訳の方です。 以前の訳は知らないので何とも言えませんが村上版はとてもいいです。 ハードボイルドの世界を違和感なく表現しています。長い話で、ストーリーも入れくんでいますが、中だるみせずに楽しめるのは物語…

ティファニーで朝食を

ホリー・ゴライトリーの軽やかさ!グレート・ギャツビーと同様に村上春樹版をお勧めします。 私はこちらに先立って龍口 直太郎翻訳版も見ていましたが、ホリーの生き生きとした感じ、色あせない感じにかんしては、やはり龍口 直太郎版は時代を感じさせるもの…

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

スコット フィッツジェラルドと村上春樹の競作村上春樹は、翻訳家としての仕事がすばらしいと思います。 ただ、小説家としての彼があんなにもてはやされる一方で、翻訳のすばらしさについてはあまり語られることがないように思われます(主に居酒屋で、の話…

私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明

高城剛の最新作高城剛は、ここ一、二年はワイドショーで取り上げられることも多く、「なんだかうさんくさいおじさん」と思われることが多い。 私の周りでも彼の評価は芳しくなく、見た目や言動で損をしている感は否めない。私が彼のことを初めて知ったのは、…

キックアス

今日現在において、今年のナンバー1です。1月に劇場で見た時点で即座にそう思ったくらいに、凄まじい映画でした。 脚本、役者、音楽、演出、、、と様々な点で満足度の高い映画であり、劇場でこんなに興奮したのは子供のときにジュラシックパークを見て以来…

 (500)日のサマー

ジョゼフ・ゴードン=レヴィットの演技力!私がこの映画を最初に見たのは、ちょうど1年くらいまえでしたが、その後既に5回は通して見ていると思います。 それでも、見るたびにあらたな感慨を得ることが出来ていますので、この作品は私の中で特別な位置を占…

インセプション

今年三度目の鑑賞。全編通して見るのは三度目ですが、好きなパートを見た回数なら十回を軽く越えるくらいに好きな映画です。ディカプリオ、渡辺謙、(500)日のサマーの彼など、 私の好きな俳優さんが揃っているのも魅力の一つです。 特殊効果は、CMで初見の…